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「ライターは翻訳業」。先端技術も法律もヒット商品も、すべては読者のために

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ビジネス系一筋にやってきた私は、「ライターは翻訳業」だと思っています。読者が知りたい情報を読者にいかに分かりやすく、そしてエピローグまで興味深く読んでもらえるか。
そのためには、取材により集めた情報を、読者向けに翻訳、それも直訳ではなく意訳する作業が必要です。少なくともビジネス系ライターの場合、この翻訳作業がライターの仕事そのものだと私は思っています。

■「ライター自身が知りたい」から調べて書く
翻訳作業が必要なのは、ライター自身が「何でだろう?」の素朴な疑問を抱き、「ぜひ知りたい」と切望し、その結果を読者に伝えるためです。ライター自身が興味を持っていないことを、いくら美辞麗句を並べ、文章テクニックを駆使して書いても、読者はそんな記事を読みたいとは思ってくれません。その意味でライターは常に新しい情報に飢え、情報を探ることに異常な情熱を燃やします。

その情報を翻訳するためには、クライアントから提示されたテーマや自分が嗅ぎつけたネタをとっかかりに、「仮説設定➡取材による仮説の検証または仮説修正➡取材データの整理と分析、エビデンスのある情報抽出➡補足(補強)取材➡原稿執筆」の手順を踏むのが基本だと私は思っています。
そして、タイトルやリードで読者の「知りたい」欲求を掻き立て、エピローグまで飽きずに読んでもらうためには、読者が「そうだよね」と納得してくれるエビデンスのある事実を論理的に構成し、起承転結が明確で論理的齟齬のない記事の書き方が必要です。
これが最初から最後まで、読者がすらすらと記事を読み進め、読んだ後は「これで知的好奇心を充足できた、自分の仕事の参考になった」と読者に思ってもらえるための記事の書き方だと私は思います。同時にこうした記事が、誌面を提供してくれたクライアントや媒体の期待に応えることだとも思います。

■関連情報を総ざらいする貪欲さ
ビジネス系記事を書く場合は、関連情報を「これでもか」と総ざらいするほどの貪欲さも必要だと思います。
一例として、昔『ビジネスジャーナル』に書いた「熱さまシート、消臭元……”地味な”小林製薬、高収益の秘訣」(タイトル付け、編集部)のケースを挙げます。
同社は固い印象のある製薬会社に関わらず商品名がユニークで、ヒット+ロングセラー商品を次々と市場投入しているメーカーです。
そんなことから、私はまず「何で?」と素朴な疑問を感じました。製薬業は新薬が1発当たればその特許が切れるまで潤い、新薬が当たらなければ特許が切れた既存商品で凌がなければならない、浮沈の激しいビジネスモデルです。だから「何で?」と思い、「知りたい、知りたい、知りたい」となったのです。
そこで同社独自のビジネスモデルを解明するため、次の調査を行いました。

・同社の決算短信・決算説明会資料・有価証券報告書・アニュアルレポート・株主通信を過去10年間に遡って調査
・小林社長のインタビュー記事等関連記事を約12件収集
・同社の社風・文化について発言している社員の資料を5件収集

これらの調査資料をグループ別に時系列に並べる、関連項目別に横系列に並べるなどの分析で、ようやく同社独自のビジネスモデルが見えました。
「そんな手間暇を掛けなくても、同社ビジネスモデルに関する資料を探せばいいじゃん」と思われるかも知れません。しかし、他人の書いた記事は参考にならないのです。視点が違うからです。
だから私はどんな依頼原稿でも、既存の「出来合い品」に頼らず、いつもゼロベースから、興味津々で資料探しをします。公開情報は可能な限り集めます。
これもライターならではの性なのかも知れませんね。貧乏暇なしになるはずです。

福井 晋

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